煮物の作り方、味付け方、コツは? |
美味しい煮物の作り方をご紹介します。
「簡単そうで、なかなか上手くいかないのが煮物ね。」という話をよく聞きます。
日本料理の世界も料理長の次に偉いのが煮方(煮物を作る料理人)ですから、煮物を煮るというのは奥が深いように感じます。
でも、心配しないで下さい。
ちょっとしたコツをおさえれば簡単に美味しい煮物できます。
味付けの基本「さしすせそ」よりも、もっと大事なことがあります。
正しい調味料 |
料理に使うお酒は料理酒ではなく「清酒」、みりん風調味料ではなく「本みりん」を使います。
料理酒やみりん風調味料には塩や酢が混ざっています。
安価でもこれらの調味料を使うと味のバランスがくずれてしまいます。
美味しい料理を作るには正しい調味料(本物の調味料)を使います。
下ゆで |
下ゆでとは料理する前にあらかじめ素材をゆでておく事をいいます。
例えば野菜の煮物をつくるとき、
大根は、米のとぎ汁、又は水で大根の中心部まで火が通るまでゆっくりとゆでます。
竹の子は、米のとぎ汁、又は水でゆでアク抜きをします。
人参や里芋も竹串が通るくらいまで水からゆでます。
ゆでた後は水に放ちます。
魚の場合の下ゆでは湯通しといいます。
熱湯に魚の切り身を通して表面が白くなったら水に放ちます。
魚の場合はゆでるというより熱湯でサッと洗うという感じです。
野菜や魚を下茹でをすることで、素材をみんな同じスタートラインに立たせます。
さぁ、煮物開始です。
よーい ドン!
下茹でをしてあるので、
煮る時間が節約できます。 | |
素材に早く味が入ります。 | |
素材が煮上がる頃に煮汁の味が濃くなったりしません。 | |
直だき(下茹でしないで直接煮ること)すると素材が煮上がる頃には煮汁の味が濃くなり、濃い味が素材に入りすぎます。 |
楽々にゴールです。
下ゆですることを面倒くさい、時間が余計にかかると思われる方もいます。
でも、結果的には料理する時間も短縮できて料理も美味しくできます。
豚の角煮を作るときも下茹でがきちんと出来ていれば、食べたときに口の中でとろけるような美味しい豚の角煮や東坡肉(トンポーロー)が出来ます。
豚肉をやわらかく煮るには?
味のバランス |
料理初心者の煮物の味のつけ方は、だしにみりんや醤油を入れて煮る。
味をみて調味料を少し足してゆく。
何回も味見をする。
だんだん味が分からなくなり「大体、こんなもんかなぁ」という所で落ち着いてしまう。
まずくもないが、特別美味しくも無い、どうもスッキリしない味の料理である。
これは、調味料の使い方のバランスが悪いためです。
味のバランスを良くするには、調味料をバランス良く入れる(使う)事です。
煮物に限らず、料理が美味しいかどうかは味のバランスが良いか悪いかで決まります。
味のバランスとはだしや調味料のバランスです。
黄金比とは物が一番美しく見える比率です。
料理の世界にも美味しい比率があります。
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里芋を煮るという例でご説明します。 |
鍋に下茹でした里芋を入れ出汁を入れました。
あなたはどの様に味付けしますか?
大抵の人の煮物の味の付け方はこのような感じです。
味付けの基本「さしすせそ」は知っているので、だしに砂糖、味醂、醤油の順で入れて煮る。
煮汁の味を確認する。
味が薄い場合は醤油かみりん、砂糖を少し加える。
味が濃い場合は水を足す。
もう一度味をみる。
もう少し甘い方がいいかなぁと思い砂糖を入れる。
だんだん、味付けの迷路にはまってしまう。
最後は、「こんなもんだろう!」で終わる。
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調味料をバランス良く入れる(使う)ということは、
スプーンなりおたまなり、何か目安になるものを使って入れるのです。
そして、入れた数を覚えておきます。
「なーんだ、それだけの事」と馬鹿にしないで下さい。
後から、味を直す時に必ず役立ちます。
上記の里芋の煮物を例にとりますと、
出汁に
● 砂糖 スプーン1杯
● みりん スプーン1杯
● 醤油 スプーン1杯
を入れたとします。
もう少し、味を濃くしたい場合は同じスプーンで味醂と醤油を1杯づつ入れて味をみます。
この様にして調節すれば簡単に味付け、味の付け直しが出来ます。
私の紹介しているレシピは足し算のレシピです。
まず、このレシピで作ってみてください。
それを基本にしてご自分にあった味に変えることもできます。
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おたまdeクッキング【里芋の煮物】レシピ |
レシピの見方 > |
グラニュー糖の代わりに、砂糖(上白糖)を使う場合のレシピは0.75です。 0.75 = 3/4杯です。半分が0.5、その半分が0.25で両方で0.75になります。 どうしてグラニュー糖を使うの? |
薄味が好みの人はだし汁の量を1つ増やします。 |
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味のバランスが良い |
おたまdeクッキングのレシピは 味付けの迷路に迷い込む事はありません。 |
さしすせそ |
やっと登場しました、味付けの基本「さしすせそ」。
これは、調味料を使う順番の語呂合わせです。
砂糖(さとう)
塩(しお)
酢(す)
醤油(せいう)
味噌(みそ)
難しく考えないで、調味料は甘い調味料からから先に使うと覚えておいて下さい。
料理屋さんではないので、そんなに神経質になる必要はないと思いますが、鍋に素材を入れ醤油を先に入れてから出汁を入れるという方は直ぐお止め下さい。
素材に塩分が先に入ると砂糖が入るスペースがなくなり甘味がつきにくくなります。
これは塩の粒子は小さく、砂糖の粒子は大きいからです。
◇簡単につくる野菜の煮物は:
鍋にだしと調味料をすべて合わせておきます。
その中に下ゆでした食材をいれ調理します。
◇魚の煮物は:
鍋にだしと調味料をすべて入れて火にかけます。
だし汁が少し温まってきたらおろし生姜と湯通しした魚を入れます。
煮汁が煮立ってきたらアクをすくい取ります。
旨みのひとかけら |
和食のだしはカツオと昆布の合わせだしです。
美味しい煮物をつくるには私が”旨みのひとかけら”と呼んでいるものをだしに加えて煮ます。
それは”だし昆布”です。
カツオと昆布を使ってダシを取っているので『えっ、また』と思われるかも知れませんが、この”旨みのひとかけら”を使うのと使わないのでは明らかに味が違います。
一度、お試しあれ!
だし昆布の使い方は?
煮物の煮方 |
煮物の煮方は素材によって違ってきますので一概にはいえませんが、
煮汁が煮立ったら煮汁がほんの少しポコポコとなるような火加減でやさしく煮ます。
強火で煮ると煮崩れしてしまいますし、あまり火が弱いのもダメです。
そして必ずやっていただきたいのが”落しぶた”。
落し蓋はキッチンペーパーかクッキングシートを使います。
落し蓋をすることで、熱が全体に均等に伝わりますし煮汁の蒸発も防ぎます。
ふっくらと美味しく煮あげるには必須アイテムです。
特に里芋などの甘めに煮る野菜の煮物の場合ですが、もう少し引き締まった味にしたいと感じたら、塩をほんの少し入れてみてください。
甘い味が引き締まります。
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